Hair by Katsumi Matsuo
2度目の緊急事態宣言に入り再度活動自粛が始まりました。サロンでもスタッフ人数やお客様の制限、施述後にお客様の陽性が発覚し担当したスタイリストも検査結果が出るまで自宅待機になるなど多くの影響が出てきています。
その中で2008年にヘアカラーをeコマースで販売するアメリカのヘアカラー販売が売り上げを伸ばしました。やはり自粛期間でもヘアに関する美意識がうかがえます。
トレンドに関してはここ10年間オンブレやバリアージュが、ビビットなピンクやレインボーカラー、ビリーアイリッシュのネオングリーンの根元の明るいツートンカラーなど多くのトレンドがあり、他にも80年代のマドンナのルーツダーカーも再流行しました。ビビットカラーも70年代後半から80年代にはパンクロックの流行により緑、ピンクやヒョウ柄などの過激なヘアカラーの再燃かもしれません。
さらに遡ると、17世紀、イギリスのエリザベス一世が赤毛であり、”Fiery”red hairと呼ばれ彼女の象徴であったように、時代時代に象徴するカラートレンドが存在しました。
50年代に思いつくのはマリリンモンローのプラチナブロンド、まだノーマジーンで活動していたモデル時代のシャンプーの広告の条件がブルネットからプラチナブロンドにすることで生まれました。参考にしたのは30年代に活躍した女優、ジーン・ハーロウ。元祖セックスシンボルのプラチナブロンドヘアでした。
40年代に入り引き続き、プラチナブロンド全盛だったが、戦時中に入った40年代には、女優エヴァ・ガードナーのブルネットヘアは神秘的で魔性の女のイメージ流行。
60年代に入り、『ティファニーで朝食を』でオードリヘップバーンが太めのハイライトを入れ、70年代にはより自然なハイライトが流行していきます。
この頃から日本では外国人の明るい髪色に強い憧れを抱きヘアーカラーの流行がはじまっていきます。
Hair by Katsumi Matsuo
そして、ヘアカラーに関してもサスティナブルという言葉を耳にするようになりましたが、元来、ヘアカラーは自然のものから染色が始まりでした。
古代ローマ人は獣脂やブナの木の灰を原料を使いブロンドに染め、現在でも使われているヘナはイスラム教やヒンドゥー教では染色は神聖な儀式として用いられました。
聖書や古代ギリシャとエジプトでも青い髪の色の記述が残されていますがコバルトやインディゴだと言われています。
日本では『平家物語』において、平安時代末期に斎藤実盛が白髪を墨汁でもって染めて最期の合戦に臨んだことが知られています。
他にも牛の尿、灰分、ザクロの皮やクワの白木根など様々なものを使っていそうです。
eコマースというヘアカラービジネスのeSalon.comやマディソン・リード、サスティナブルに関しては取り組まない企業は存続できないと言われ、イギリスの「エコ・ヘアー・アンド・ビューティー」やオーストラリアの「サステナブル・サロンズ・オーストラリア」などの美容院側の環境保全に対する取り組みはとても素晴らしく、ヘアデザインだけでなくコロナ禍によって新しい価値を生み出し、さらにより良い社会が生まれるようにしていくこともヘアスタイリストとして必要な時代に入ってきているのではないでしょうか。
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